不動産投資をするならすぐに法人を作ろう

法人の種類を理解する

1年以内に物件を購入する計画があるなら、すぐに法人を作ることをお勧めします。
別の記事で白色申告と青色申告についてご説明しましたが、最も良い選択肢は法人を作ることです。

法人を作る方法については後述しますが、法人は主に「合同会社」と「株式会社」に分かれ、合同会社の設立にかかる費用は6万円程度、株式会社で20万円程度となります。

合同会社と株式会社の大きな違いは何でしょうか。株式会社は出資割合に応じて出資者が株を保有し、利益分配は出資割合に応じて行われますが、合同会社は利益分配の自由度が高く、出資割合ではない利益分配を決めることもできます。

また、株式会社には決算公告の義務があり、官報などへ決算公告を行う必要がありますが、合同会社には決算公告は義務づけられていません。

その他、合同会社では出資者が社員となりますが、議決権は社員1人に対して1議決権となります。定款で議決権の割合を変えることも可能ですが、特に定めがない場合には、例えば夫婦、友人など2人で出資をするとそれぞれが1議決権を持つことになります。この場合、2人の間で理解の相違が起こってしまうと会社として前に進むことができなくなる可能性がありますので、株式会社と合同会社のどちらを作るべきか、十分に比較検討をすることが重要です。

合同会社と株式会社の大きな違いは何でしょうか。株式会社は出資割合に応じて出資者が株を保有し、利益分配は出資割合に応じて行われますが、合同会社は利益分配の自由度が高く、出資割合ではない利益分配を決めることもできます。

法人のメリットを理解する

法人を設立するメリットは大きく分けて次の3点があります。

① 個人事業主の青色申告よりも経費にできる幅が広がる(個人事業主の経費は非常に限定的)
② 赤字の繰り越しが10年間できる(個人事業主の場合は3年間)
③ 2期連続(かつ24カ月以上の事業実績)で黒字決算ができれば、法人自体の信用で融資が受けられるようになる

次に1点ずつ詳細をご説明します。

① 個人事業主の青色申告よりも経費にできる幅が広がる(個人事業主の経費は非常に限定的)
個人事業主の青色申告の経費は「紐づけ」が必要になります。「経費」は対象となる「売上」との紐づけがないと計上することが難しく、限定的となってしまいます。

法人の場合は「紐づけ」の必要はありません。もちろん、まったく関係がない費用を経費とすることはできませんが、事業のために使った費用であればほぼすべて経費計上することができます。

例えば、携帯電話、インターネット、駐車場、ガソリンなどにかかった費用は、個人使用分と案分して、6割程度までなら経費計上にすることができます。

② 赤字の繰り越しが10年間できる(個人事業主の場合は3年間)

法人は損金繰り越しが10年間可能なため、仮に最初の1年が赤字になったとしても、その後の10年間のどこかの年で黒字にすることができれば、繰り越してきた赤字とその年の利益を相殺することができます。法人を設立した年に残念ながら物件を購入するがことができなかったとしても、活動に使った経費を赤字として繰り越すことで後々の利益と相殺することができるのです。せっかく黒字にできた年の利益が小さくなるようにも見えますが、これにより課税される所得を抑えることができるので、節税につながります。

ただし、赤字決算をするとその後に金融機関からの融資が受けづらくなるため、できれば黒字決済をすることが理想です。とはいえ、政府金融機関などから融資を受けられる可能性はありますので、どうしても物件の取得が1年目に間に合わない場合には赤字繰り越しをするとよいでしょう。

なお、売上が立たなかった法人であっても市県民税は年間に7万円ほどかかりますので、法人を作るかどうかは総合的に判断してください。

③2期連続(かつ24カ月以上の事業実績)で黒字決算ができれば、法人自体の信用で融資が受けられるようになる

2期(金融機関によっては3期)連続で黒字決算にすると、法人自体で融資が受けられるようになります。
ただし、決算期は変えることができてしまうため「2期」という「期間」の定義では不十分な場合が出てくるので、もう1つの条件として「24ヵ月以上の実績」が求められます。

例えば、今すぐに法人を作って、決算期直前の11カ月目に物件を取得したとします。うまくいってこの期を黒字にすることができれば、最短で法人が融資を受けられるテーブルに乗せることができます。
売上が立たないまま赤字決算になってしまう可能性ももちろんありますが、真剣に探せば物件は取得できるので、あらかじめ法人を作っておくことは決して無駄ではありません。

もし、個人ですでに収益物件をお持ちの場合であれば、その物件を管理する会社として法人を設立し、その法人に管理業務を発注することもできます。もちろん実績が伴わなければ売り上げにすることはできませんので、月に1回の清掃業務や競合物件との家賃の調査などの「管理業務」を行うことは必要ですが、これにより1年目から法人を黒字決算にさせることができます。

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