収益物件を購入したら2ヵ月以内に青色申告の届け出をしましょう

節税効果を最大化するための青色申告

個人で物件を購入した場合であっても、不動産賃貸事業を始めることになれば確定申告をする必要があります。

ご存じの方も多いかと思いますが、確定申告には「白色申告」と「青色申告」があり、節税効果という意味では次の2点が異なります。

①赤字の繰り越しの有無
②10万円または65万円控除の有無

白色申告では赤字の繰り越しができませんが、青色申告では「赤字を最長3年繰り越す」ことができます。なお、不動産収入以外に給与所得がある人であれば、両方を損益通算して赤字になった場合のみ繰り越しができます。

赤字の繰り越しができるということは、例えば、初年度に不動産取得費を含めて年間の利益が100万円の赤字になり、2年目の利益が300万円の黒字になった場合に、300万円の黒字から初年度の赤字100万円を引いた200万円を2年目の利益とすることができる、ということです。赤字の繰り越しができない白色申告者の場合は300万円に対して課税されるところを、青色申告者は赤字の繰り越しをすることにより課税額を200万円に抑えることができるのです。

収益物件を購入した年は不動産取得経費が多く発生するため、給与所得などとの損益通算後に赤字になるのであれば、青色申告の届け出をした方がより節税効果を高められるといえます。

さらに、青色申告の場合には「10万円または65万円控除」が使えます。先ほどの赤字を繰り越した例ですと、2年目の200万円の黒字に対してさらに10万円または65万円を課税対象から控除することができるため、最終的な課税対象額は190万円または135万円になります。この控除を受けることで、手取りが1~18万円程度増えることになります。

ただし、65万円控除にするには事業規模(貸家5件以上またはアパート・マンションで10室以上)の不動産を持っていることが条件になります。事業規模ではない場合は、10万円控除の対象となります。いずれにしても、個人で事業規模まで不動産を増やしていく計画であれば、最初から青色申告の届け出をしておくことをお勧めします。

不動産投資を新規で始められる方の場合は、初年度は不動産賃貸業を開始して2ヵ月以内であればいつでも「所得税の青色申告承認申請書」の届け出を出すことで青色申告者になることができます。しかし、すでに賃貸経営をされている方で白色申告から青色申告に変更する場合には、青色申告に変更したい年の3月15日までに「青色申告の承認申請書」の届け出をしなければいけません。

例えば、すでに区分マンションを4室所有していて白色申告をしており、新たに6室の一棟アパートを取得して事業的規模になったとします。この場合にも、3月15日以前に「青色申告の承認申請書」の届け出をしていなければ、赤字の繰り越しも65万円控除も受けることはできません。

「届け出が手間だから」という理由で青色申告の届の出をされていない方もいますが、節税を最大限活用するためも、青色申告の届け出は期日前に提出しましょう。