資産管理法人の設立方法

1週間で法人を作る

別の記事で紹介しました物件を購入する優先順位は「①法人②個人(物件の買価<積算)③個人(物件の買価>積算)」となるので、できれば法人を設立した方が効率良く不動産投資と節税ができます。

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なお、法人の設立費用は合同会社で6万円程度、株式会社で20万円程度となり、年間にかかる費用としては売り上げがなくとも市県民税で7万円の税金がかかります。

法人の作り方は比較的簡単で、次にご紹介するサイト(会社設立フリー)上で項目を順に入力していくだけです。所要時間1時間程度で法人登記に必要な書類を作成できます。実際には法務局への提出などを含めて1週間程度はかかりますが、手間としてはそこまでかかりません。

資本金は少なくとも50万円以上が推奨です。資本金は登記後に法人の預金口座から引き出しすることも可能ですので、塩漬けしてしまうことはありません。

事業内容の玉石混合はNG

会社を設立する際に、定款にいれる事業内容を「思いつく限り入れた方がよい」という方がいますが、資産管理会社においてそれは正しくありません。

まず、「思いつく限り入れた方がよい」というメリットは、後々事業を広げる際に定款を書き直すと6万円ほど費用がかかるため、最初に思いつく限りは入れておいた方が後ほど変更しなくてすむという点です。

ただし、これにはデメリットが2つあります。

1つ目は、企業としてそもそも何がやりたいのかが不明瞭に見えてしまい、金融機関や新規取引先との商談のハードルを上げてしまいかねない点です。

例えば、資本金100万円の企業で「飲食、自動車販売、不動産、ゲーム開発、IT、営業代行」などと複数の事業目的が定款に書いてあったらどうでしょう。取引先の与信管理のために謄本の提出が求められた際に、与信審査をする本社部門の人から怪しい企業に見られてしまう可能性があります。仮にそれが大事な商談であっても、実力ではなく定款の中身で相手方に断られてしまうのでは本末転倒です。

2つ目は、事業内容が複数あり、かつ複数の事業から売り上げがある場合に、銀行が1つの事業にその企業の与信枠いっぱいのお金を融資してくれないことがある点です。金融機関によっても異なりますが、そもそも貸し出したお金を他の事業に使われてしまう可能性があると、不動産事業で得た収益を他の事業につぎ込んで返済計画が立てられなくなるというリスクがあるため、嫌厭されがちなのです。

そう考えると、定款の事業目的を闇雲にたくさん入れてしまうことは、融資を受けて規模を増やしていくための足かせになってしまう可能性があります。

新設の資産管理会社で物件を購入するということは、事業実績のほぼない会社で融資を受けることになるため、事業内容自体は次のようにシンプルにしておきましょう。

①不動産の所有、賃貸及び管理
②上記に付帯する一切の事業

②の記述により①に関連した業務はできるようになります。
例えば将来的に太陽光パネルを取り付けて売電事業を行うことにした場合、金融機関によっては「太陽光事業」を事業目的に付け加えるように言われる場合もあります。しかし、金融機関を複数当たれば、事業目的を追加する必要のないところも見つかります。
実際、私の場合は付け加えが必要のない金融機関から融資を受けることができました。

事業内容についてまとめますと、今後も資産管理法人を使って不動産事業を伸ばしていくのであれば、他の事業と混ぜずにシンプルにした方がよいでしょう。もし、他の事業もやりたいのであれば、新しく会社を作ることをお勧めします。
なお、私は現時点で実質的経営権を握っている会社を3社持っていますが、2社は事業目的をシンプルにして、1社は玉石混合にして使い勝手を良くしています。

本社所在地に注意

法人登記をする際の本社所在地は、多くの方はまずは自宅を選択すると思います。

しかし、自分の住んでいる家が賃貸マンション・借家などの場合で、物件オーナーと結んでいる賃貸借契約書に「居住としての使用に限定する」や「個人利用に限る」などの記載がある場合には注意が必要です。

金融機関から法人で融資を受ける際には、賃貸借契約書の提示を求められることがあり、その物件が法人事務所として使えない契約の場合には銀行の審査が通らない可能性があるのです。そこまで確認しない金融機関もありますが、まずは融資を受ける予定の銀行に確認をし、賃貸借契約の文言を変える必要がある場合には、物件のオーナーに理由を説明して改めて契約を結び直す必要があります。

もし物件オーナーと折り合いがつかない場合には、本社所在地をバーチャルオフィスやレンタルオフィスに変更して対応することも可能です。バーチャルオフィスを選ぶ際には、同じ事務所内にレンタルオフィスを構えているところを選択すると、金融機関や保証協会の人との面談でオフィスを確認したいと言われた時にも対応ができるので便利です。

初めて保証協会を使う際にはオフィス所在地で面談を求められる場合があるのですが、外での面談を希望しても承諾してもらえず、面談不可となる場合には保証協会の承認が下りないこともあるので、レンタルオフィス併設の事務所を選んでおくようにしましょう。

次に紹介するサイト(Karigo)でもバーチャルオフィスとレンタルスペースが借りることができます。他社を10社ほど見比べてみましたが、入会金1万円、月額ランニングコストが5000円がほとんどなので、こちらのバーチャルオフィスはかなりリーズナブルですね。



最後に、法人を設立した後、法人の通帳を作成することになるかと思いますが、むやみに法人の通帳を作ることはお勧めできません。

1度通帳を作成すると、正当な理由がなければ支店を変更できなくなるため、融資に積極的な支店ではないところに口座を作ってしまうと、選択肢を狭めることになります。そのため、通帳は融資を打診して承認を得た時に増やしていくのが得策です。

また、決算期になると税理士の方に最新の通帳記帳をしたものを求められるため、複数の通帳を持っていると銀行を走り回らなくてはいけなくなります。手間を増やしたくない場合には、通帳数は最低限にしておくのがよいでしょう。