個人の分離課税と法人の総合課税

個人と法人によって大きく違う課税方式

個人で購入する場合と法人で購入する場合の大きな違いは、売却益にかかってくる税金が異なる点です。
個人の場合は他の所得と分けて課税される「分離課税」で、法人の場合は他の所得と通算される「総合課税」となります。

また、個人の場合は物件を取得してから売却までの期間が短期なのか、長期なのかによって税金が異なります。物件売却による売却益があった場合、短期譲渡の場合は約39%、長期譲渡の場合は約20%の譲渡所得税がかかります。(短期譲渡とは、売却した年の1月1日時点で所有期間が「5年以下」の場合、長期譲渡とは売却した年の1月1日時点での所有期間が「5年を超える」場合です。)

そして前述のとおりこれらの売却益は他の所得からは分離されて計算されるため、仮に他の所得が赤字であったとしても売却益とは相殺されず、売却益に対して課税がされます。

このように個人で取得した物件の売却益に対しては分離課税として必ず課税されるため、減価償却のやりすぎには注意が必要です。

築古の木造物件を購入する例で考えてみましょう。法定耐用年数を超えている物件については4年(木造)で減価償却を行います。例えば、建物価格4000万円、土地の価格3000万円の合計7000万円で物件を購入した場合には、年間1000万円が減価償却されます。この物件を6年以上保有し6000万円で売却した場合、すでに4000万円を減価償却しているため簿価は3000万円となり、3000万円の売却益が出たことになります。この場合、3000万円の売却益に対して20%の譲渡所得税がかかるため、600万円を税金として納めなくてはいけません。

減価償却をすることで可能な個人の節税は、「所得税」と「住民税」が対象となります。つまり、「所得税」と「住民税」が20%以上を納付している状況でなければ、譲渡税の方が高くなり節税の意味がありません。しかしながら、「所得税」と「住民税」が20%以上になるのは、800万円の給与所得(課税所得で約435万円)がある場合ですので、あまり多くの方が対象とはなりません。

売買契約時に建物価格の調整を行って減価償却を多く行えるようにする取引場面を見かけることがありますが、個人で購入する場合は売却時の税金も考慮したうえで建物価格の調整を行うようにしてください。

減価償却をすることで可能な個人の節税は、「所得税」と「住民税」が対象となります。つまり、「所得税」と「住民税」が20%以上を納付している状況でなければ、譲渡税の方が高くなり節税の意味がありません。しかしながら、「所得税」と「住民税」が20%以上になるのは、800万円の給与所得(課税所得で約435万円)がある場合ですので、あまり多くの方が対象とはなりません。

次に、法人の場合は売却益は他の所得と通算されます。売り上げ規模によっても異なってきますが、実効法人税率は約30%(所得が400万円までは26%、400~800万円が28%、800万円以上が34%)です。

個人の場合と異なり、売却益が多い年には新たに物件を購入するか、減価償却が多く取れるような設備投資を行うことで相殺することが可能です。

このように税金を自分でコントロールして、長期的に最適化を行うことを考慮すれば、法人で物件を取得した方が優れているといえます。